廃止されてしまった秘境駅!石勝線・東追分駅とは?

石勝線の東追分駅を紹介します。利用者の減少によって2016年に廃止されてしまったこちらの駅は、広々とした大地の景観と遠くに広がる山々の姿を望める、どこか懐かしい雰囲気を持った駅となっています。

追分駅から夕張市までは、山あいののどかな風景が続く!

追分駅を通り過ぎたのち、石勝線は空知地方の山あいの地域を進んでいきます。石狩平野の中でも雨霧山、於兎牛山などの山々に囲まれている追分~夕張間のエリアは、平原の中にのどかな風景が続いていく場所です。山あいの風景を楽しみながら、石勝線で夕張市へと少しずつ進んでいきます。

追分駅・東追分駅のある旧追分町は古くから鉄道の街として栄えていました。炭鉱全盛期には町の名前のとおり、炭鉱関係者や物資を「追分(別方向に分ける)」する街として重要な役割を担っており、人が行き交うことで同時に商業なども関連して発展するようになりました。

炭鉱が廃れた現在、旧追分町にかつてのような活気はなく、2006年、市町村合併の流れの中で追分町は隣の早来町とともに「安平町」として再編されることとなりました。炭鉱の名残を感じることも少なくなってしまった旧追分町エリアですが、のどかな風景を楽しみながら当時とは違う風情を感じて進んでいくことができます。

山あいの平原の景観が続いていきます。のどかな車窓の景色を楽しみましょう。

旧追分町に限らず、空知地方は雪の多い地域が数多く存在しています。線路上には、雪の影響から設備を保護するためのスノーシェルターが点在します。

知られざる秘境駅!東追分駅とは

石勝線の3番目の駅である東追分駅は、2016年3月に惜しまれつつ廃止されてしまった駅です。現在ではこの駅で列車が停まることはなく、駅舎の影もなくなってしまいました。現在は駅があったことを示すような標識もなく、広々とした平原の中で、遠くに山々の姿を望める場所となっています。駅舎があった時代からこの場所は秘境駅のひとつとして有名で、民家などもほとんどなく、人の気配もない場所となっています。

サントリー・金麦のCMのロケ地となったこの駅は、地元に住んでいない方にとっても、心の片隅にあるような懐かしい風景や、のどかな田舎の風景をイメージさせてくれる場所です。ロケハンでこの場所を選んだCMの制作陣も、そのような郷愁を存分に思い起こさせてくれるからこそ、東追分駅をチョイスしたのでしょう。

CMで撮影されたのは夏の風景ですが、冬の雪が積もった状態の風景も素晴らしいものがあります。冬の晴れた日に何もない光景が広がる景観は、見る者を爽やかな気持ちにさせてくれることでしょう。

旧東追分駅は、道東自動車道追分町ICの近くに位置します。国道234号線からは、小道に入ることとなります。周辺には規模が大きめの農家が点在するのみで、ほとんど人の気配はありません。

東追分駅があった場所までの道中には、大きなスノーシェルターもあります。

スノーシェルターと青空。

周辺には目立つ建造物などが何もなく、広々とした印象の場所です。

旧東追分駅跡地。目立つものは何もなく、建物の基礎であった部分が放置されているだけです。

駅舎は既に跡形もなくなっており、広々とした平原とレールのみが残されています。

現在、旧東追分駅は「東追分信号場」として石勝線で活用されています。信号設備関連の建物が、駅舎があった場所の近くに建てられています。

踏切も越えて、少し高台からの景色も見てみよう!

旧東追分駅は秘境駅であり、周辺には農家の方の家があるだけで民家の姿も見当たらないような場所となっています。そのため、周辺には文字通り何もなく、だからこそ自然の景観を丸ごと楽しむことが可能です。

東追分駅があった場所へと通ずる道の近くには、線路をまたぐ踏切が設置されています。踏切の先は若干高台となっており、歩いて登るとちょっとした高台から、空知地方の山々の景色やだだっ広い平原の様子をより楽しむことができます。

冬には雪が降り積もり、足跡ひとつすらない雪原の光景は北海道のイメージを象徴するようなものとなっています。晴れた日に陽の光が反射してきらめく様は非常に綺麗で、時間の許す限り、その場でゆったりとした時の流れを感じているのも良いでしょう。

駅に通ずる小道の近くの踏切を越えると、高台に登ることができます。

高台へ行く道の両脇にはだだっ広い平原が存在します。基本的に人が足を踏み入れない場所であり、足跡などは一切ありません。

高台への道を歩いていくと、東追分駅周辺の様子もよく分かります。

高台から眺めた周辺の様子。遠くには、山々が連なっています。

広々とした畑がある場所です。秋には、作物が実る様子も分かるでしょう。

遠くの方には、旧追分町の中心街なども望めます。

東追分駅のまとめ

東追分駅は2016年に惜しまれつつも廃止されてしまった駅です。現在は駅の痕跡がわずかに残されているだけの場所ですが、この場所は石勝線の全駅の中でも特筆すべき素晴らしい景観に恵まれています。車などで石勝線をたどって進んでいく際には、ぜひとも途中で立ち寄って、その素晴らしさを味わっておきたいところです。
旧東追分駅から、さらに石勝線は東側へと進みます。次回は、夕張市に入る手前に位置する「川端駅」まで、ゆっくりと進んでいきましょう。

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むらはし

むらはし

北海道の鉄道に魅せられた平成世代。北海道に数多くある秘境駅、廃線間近の路線などを巡り、その素晴らしさを伝えたいと思っています。

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