石勝線・滝ノ上駅を紹介します。夕張市内に石勝線が入っていくと、これまで以上に寂しい風景が車窓に続いていくことになります。山々の景観を背景にした川端駅との「兄弟駅」は、北海道の鉄道の歴史を知る上でも必ず立ち寄っておきましょう。
石勝線は夕張市内に突入!夕張川を眺めながら進もう
国鉄夕張線の時代、さらに以前の「北海道炭鉱鉄道」の時代から炭鉱の重要な輸送路として活躍してきた石勝線は、やはり夕張市内を走る「夕張支線」が中心的な存在となっています。夕張市内には石勝線の駅が7つも存在しており、切っても切り離すことができない炭鉱の歴史がそれぞれの駅に息づいています。
炭鉱事業が衰退して以降、夕張市内の駅は利用者が激減してしまい、国道など幹線道路の整備もあって現在ではほとんど利用する人がいなくなってしまいました。しかしそれぞれの駅に息づく歴史や車窓からの夕張川、山々の景観など見逃せないものが多く、夕張市の経済活性化という観点からもぜひとも訪れたい場所となっています。
夕張川の様子。車窓から夕張川を望みながら、石勝線はゆったりと進みます。
川端駅とほぼ同じ構造!滝ノ上駅とは
石勝線の5番目の駅である滝ノ上駅は、北海道炭鉱鉄道の時代から存在している歴史の長い駅です。今から100年以上前の1897年に誕生して以来、1981年の無人化をはさみながら長きにわたって人と物資の輸送をつかさどり続けてきました。
滝ノ上駅の最大の特徴は、川端駅と駅舎の構造やデザインがほとんど同じものとなっている点です。特に外観に関しては、屋根の色や壁の色まで全く同じものとなっていることがポイントとなっています。
川端駅も現在から100年以上前の1894年に開業しており、この二つの駅はまさに兄弟のように北海道炭鉱鉄道、国鉄夕張線、そして石勝線の歴史を見守り続けてきたと言えるでしょう。北海道の鉄道の歴史を知るうえで、欠かさず訪れておきたい場所です。
滝ノ上駅外観。屋根の色から壁の色に至るまで、川端駅と全く同じものになっています。川端駅よりも外観には古めかしい印象があります。
駅構内の様子。構内も川端駅とほぼ同じ構造ですが、壁の色は白色を基調としており、だいぶ雰囲気が違います。
時刻表。本数は千歳方面6本、夕張方面4本と、川端駅と同じです。
川端駅と同じく、簡易的なトイレも用意されています。
何か問題があったのでしょうか。10年ほど前からこちらのトイレは使えなくなっているようです。
ホームの様子。大きな山が駅の目の前にそびえているため、陽の光が差し込みにくい構造となっています。
跨線橋は川端駅と若干違い、橋の上で駅の両方向に降りられる構造となっています。
階段の様子。左に、駅の正面側へ降りられる扉が付いています。
跨線橋から見た夕張方面の線路。周辺には集落も形成されておらず、民家がいくつか建っているだけとなっています。
千歳方面の線路。周辺に山々が連なり、陽の光がさえぎられていることが分かります。
反対側のホームの手前には、簡易的な待合室が設置されています。
反対側のホームの様子。この地域は比較的雪が多く、ホームも雪で覆われてしまっています。
駅の反対側へと降りることができる階段が見えます。
階段はかなり急です。降りた先には、民家などもなく林が続いています。
駅の反対側に連なる山あいから、太陽の姿を拝むことができます。
滝ノ上駅周辺スポット:滝ノ上神社
滝ノ上駅の前を通る国道に面した場所に建っている滝ノ上神社は、高台から滝ノ上地区に住む人々を長年にわたって見守り続けている神社です。規模自体は小さいものの、急な石段と周囲にうっそうと茂る木々が、荘厳かつ秘境のような雰囲気を演出する場所となっています。
木々が生い茂っているため神社からの展望はそれほど良いものではありませんが、石段を登って振り返った際の高さには圧倒されることでしょう。滝ノ上地区が開基して以来、この場所を見守り続けている神社の存在感は、ぜひとも直接見てみるべきです。
国道274号線上に、突如立派な鳥居が姿を現します。この鳥居をくぐって石段を登ると、滝ノ上神社に行くことができます。
滝ノ上地区の開基100年を記念する石碑が、鳥居のすぐ横に建っています。
石段は急であり、冬場などは足を滑らせないように慎重に登っていく必要があります。
滝ノ上神社本殿。小ぢんまりとしていますが、古めかしさも相まって雰囲気のある神社となっています。
本殿から見た石段。本殿がかなり高い位置にあることが分かります。
滝ノ上駅のまとめ
滝ノ上駅は、夕張市の西側に位置する大変歴史のある駅です。前の駅である川端駅とのつながりも色濃く、石勝線の歴史を静かに語り続ける駅となっています。駅からすぐ近くに位置する滝ノ上神社と合わせて、ぜひとも石勝線、そして滝ノ上地区の歴史を感じてみてはいかがでしょうか。
滝ノ上駅を過ぎてから、石勝線は「夕張支線」へと分岐する起点でもある「新夕張駅」へと進んでいきます。炭鉱の残り香を感じながら、ゆったりと列車に揺られて進みましょう。
むらはし
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