室蘭本線の志文駅を紹介します。前回の岩見沢駅と打って変わってローカル感の強い駅であり、どこか寂しい印象もある駅となっています。近くにある「北海道グリーンランド」にも立ち寄ってみると良いでしょう。
室蘭本線はここからローカル線に?室蘭本線と函館本線の分岐点も見ておこう!
室蘭本線の旅はまだまだ始まったばかり。ここから終点の長万部駅まで、200キロ以上にわたる道のりが続きます。室蘭本線の「海・山・平原」の魅力のうち、まずは平原の魅力を楽しむことができる車窓の景色が続きます。
秋深まる11月。緑にあふれていた平原にも、ちらほらと色づいた草木が見えていました。
岩見沢駅を出発した室蘭本線は、ほぼ国道12号線沿いに岩見沢市街を南西方向に進んでいきます。岩見沢駅からおよそ4キロほど進んだところで、室蘭本線は函館本線と分岐し、函館本線はそのまま札幌方面に、室蘭本線は函館本線と反対側に下っていくこととなります。
室蘭本線は高架で、国道12号線をまたぐようにして南東方向に進んでいきます。
札幌方面に向かっていく函館本線は、江別市を通って札幌市に至り、そのまま小樽駅方面へと進んでいきます。快速「いしかりライナー」が岩見沢駅と札幌駅を最速40分で結んでおり、岩見沢駅からの乗客は圧倒的に函館本線を利用する方が多くなっています。そのため、岩見沢駅から安平町の遠浅駅まで、室蘭本線は乗客も少なく、ローカル線特有ののどかな雰囲気の中を進んでいきます。
函館本線は地上を走り、札幌方面へと真っ直ぐに向かっていきます。岩見沢駅から室蘭本線を利用する乗客は少ないものの、栗山町や由仁町などから岩見沢市に出かける方は一定数いるため、岩見沢駅方面の電車にはある程度の人数の利用客がいます。
高架で国道12号線をまたいだ後は、車窓からの景色も一気にローカル線特有のものとなります。窓外の一面に畑が広がる光景は、都会の喧騒に疲れている方にとっては一服の清涼剤となるでしょう。
一面に畑が広がり、北海道らしい光景が広がります。4キロ先に岩見沢市街があるとは思えない光景です。
岩見沢駅から安平町の遠浅駅までは非電化路線でありスピードも出ないため、列車内ではローカル線らしい光景をのんびり眺めながら過ごすことができます。
夕刻には、沈みゆく夕日の風情を感じながら、ゆっくりと進む列車に揺られて過ごしましょう。
室蘭本線ローカル化の入り口!志文駅とは?
室蘭本線の2つ目の駅である志文駅は、室蘭本線のローカル線部分の起点ともいえる駅です。ここからしばらくは、栗山駅や由仁駅などの町の中心駅を除いて比較的寂れた印象のローカル駅が続いていきます。
小さな駅舎は、塗装の色も相まってやはりどこかさみしい印象を受けます。
駅の内部には古いベンチがいくつか設置されているだけですが、木の風合いが印象的な壁が優しい雰囲気を作り出しています。
時刻表。上下線とも7本ずつの運行です。
岩見沢方面の線路。ホームには、駅舎を通らなくても出ることができます。
苫小牧・長万部方面の線路。
木造の跨線橋は古びており、歴史を感じられます。
跨線橋内部。昼間でも内部は暗く、夜にはあまり訪れたくない場所です。
人々の生活とも関わりが深い室蘭本線ですが、炭鉱が栄えていた高度経済成長期ごろまでは、炭鉱で働く人々を乗せる重要な役割を担っており、沿線の駅は今とは比べ物にならないほどにぎわっていたところもありました。
炭鉱全盛期にはこの志文駅も、現在は廃止されてしまった「旧国鉄万字(まんじ)線」の分岐駅として、万字炭鉱へ数多くの労働者を運ぶ拠点となっていました。ところが、炭鉱が立ち行かなくなって万字線も廃止されると、志文駅の賑わいも過去のものに。そして現在のような、周辺に中規模の住宅街や広大な畑があるだけの寂れた駅となっていったのです。
跨線橋から望む苫小牧方面の線路。左が住宅街、右が畑と綺麗に分かれています。
駅をまたぐ巨大な歩道橋。駅舎側から反対側の畑エリアに直接行くことができます。
階段はかなり急で、高齢者の方には負担が大きい場所です。
歩道橋から見た駅全景。かなりの高さであることが分かると思います。
畑が広がるエリアです。広大な面積を持つ畑がいくつも並んでいます。
住宅街エリアです。住宅の数自体は多いのですが、人の姿はほとんどありません。遠く岩見沢市街まで点々と住宅が続いています。
志文駅周辺スポット:北海道グリーンランド
岩見沢市で最も有名な観光スポットである北海道グリーンランドは、志文駅からおよそ3キロの場所に位置しています。畑が続くエリアを越えると急に現れる遊園地は、子供から大人まで楽しめるアトラクションがそろっており、GWや夏休みの行楽にぴったりです。また、毎年7月にはロックフェスティバル「JOIN ALIVE」も開催されています。
畑を超えると現れる巨大な観覧車が目印です。
迫力ある絶叫マシンから、子供さんが一人でも楽しめるようなアトラクションまで幅広くそろっています。
駐車場も広々としており、GWなどの混雑期以外は難なく車を停めることができます。また、四季によって表情を変える山々の姿も印象的です。
志文駅のまとめ
志文駅は、室蘭本線の前半の非電化エリア、そしてローカル線の雰囲気が色濃いエリアの入り口に位置している駅です。畑と住宅地に囲まれた駅は、炭鉱が栄華を極めていたかつての賑わいを忘れてしまったかのような寂しさをたたえています。歴史の諸行無常も感じられるスポットと言えるでしょう。
室蘭本線はゆっくりと南下していき、のどかな光景を車窓に映しながら進んでいきます。次は岩見沢市郊外にある「栗沢駅」へ行ってみることにしましょう。
むらはし
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