室蘭本線の苫小牧駅を紹介します。北海道で4番目に大きな街・苫小牧市は、港湾を中心として栄えた工業・運輸の街です。苫小牧駅は、室蘭本線の中で最大の駅となっています。
主要路線となった室蘭本線が進む街・苫小牧市とは?
前回の沼ノ端駅から苫小牧市に入っている室蘭本線は、苫小牧市内を西側に進んでいきます。電化路線となった室蘭本線は最高速度を上げながら、沿線に住む住民たちを苫小牧市街、そして室蘭方面へと運ぶ役割を担います。
室蘭本線が進んでゆく苫小牧市は、人口17万3,000人を抱えています。2018年2月には釧路市の人口を抜き、北海道第4の都市となりました。本州への玄関口のひとつでもある苫小牧港を中心に、高度経済成長期からは北海道有数の港湾都市として発展を続けてきました。札幌からの距離も近く、新千歳空港や道央道を利用した輸送網も確立されていることから、工業都市としても発展しています。
また、港湾都市として発展する以前から製紙業が盛んにおこなわれていた場所としても有名です。中心的な会社である王子製紙の名前は全国的に知れ渡っており、現在でも市内の工業地帯では工場が盛んに稼働しています。
苫小牧市役所。市内の中心部にある立派なビルです。
王子製紙の工場から立ち上る煙は、苫小牧市のシンボルのひとつとなっています。
室蘭本線最大の駅!苫小牧駅とは?
苫小牧駅は苫小牧市内中心部をつかさどる駅であり、室蘭本線における最大の駅でもあります。室蘭本線内で最も乗降客が多く、室蘭駅を差し置いて室蘭本線における基幹駅としても機能しています。
とはいえ、北海道全体がそうであるように苫小牧市の経済もゆるやかに下降線を描き続けています。苫小牧駅周辺も近年活気が失われてきており、駅ビルからもテナントが続々と撤退していく事態に陥っています。
さらに、イオンなどを中心とした大型商業施設が郊外に進出していることもあり、市内中心部は「ドーナツ化現象」の影響を直接受けています。市街中心部の衰退には歯止めがかからず、2014年にはついに苫小牧駅のシンボルのひとつであった南口上空通路(スカイウェイ)が閉鎖されてしまいました。現在、中心部の賑わいを取り戻すべく、市が中心となって中心街の再建が少しずつ進められています。
苫小牧駅前の様子。写真中央部に見える上空通路は、現在通ることができません。
苫小牧駅外観。駅舎の外観自体も若干汚れており、寂しさを覚えます。
もちろんすべての建物からテナントが撤退しているわけではありません。
この日は土曜日でしたが、中心街を行き交う人の姿もまばらで、大きな駅舎と比較すると非常に寂しい印象を受けてしまいました。
駅構内の様子。駅舎内は広々としています。
構内から見た岩見沢方面の線路。
ホームの様子。跨線橋が、駅の規模の大きさを物語っています。
苫小牧駅には普通列車のほか、特急「北斗」「スーパー北斗」、L特急「すずらん」が停車します。
このように、駅構内には撤退したテナントの跡もあります。
上空通路の入り口には、このような張り紙がなされていました。
苫小牧駅周辺スポット①:苫小牧科学センター
「苫小牧科学センター」は、苫小牧市内で主に航空・宇宙に関する展示を積極的に行っている科学館です。こちらの最大のみどころは、ロシアの宇宙ステーション「ミール」の予備機が展示されているという点です。巨大な宇宙ステーションの中には、飛行士が実際にどのような生活を送っているのかという展示がなされており、ロシアの宇宙開発の一端を垣間見ることができます。
シンプルな外観の巨大な建物です。入場無料で楽しめます。
航空と宇宙開発に関する展示がほとんどを占めています。こちらは災害救助用ヘリ「はまなす」です。
航空や宇宙関連以外にも、真空管テレビなどの展示も行っています。
プラネタリウムもあります。
こちらが宇宙ステーション「ミール」の予備機です。まずその巨大な外観に圧倒されます。
ミールとスペースシャトルとの関係について解説されています。
船体にはソ連の国旗が大きく描かれています。
ミールの予備機は、苫小牧市市制50周年を機に、苫小牧市に寄贈されました。
コックピットやドッキングポートの様子です。
実際に使われていた宇宙食も展示されています。
寝袋は縦型に設置されています。無重力状態の中では、縦型でも問題なく眠ることができるのです。
巨大なドッキングポートの様子です。
ミールに限らず、宇宙開発全般の歴史も展示されています。
科学館の外には、巨大なSLの鉄道模型も展示されています。
苫小牧駅周辺スポット②:苫小牧北埠頭(勇払埠頭)
港湾都市・苫小牧で欠かせないスポットと言えば、やはり巨大な船が往来する埠頭です。この苫小牧北埠頭では、遠くで積荷を降ろす貨物船の様子や、港に船体を寄せるフェリーの様子などを、迫力満点で見ることができます。特に夜は、港湾全体が光に包まれて幻想的な光景を作り出します。カップルのデートスポットとしてもおすすめの場所です。
北埠頭は「キラキラ公園」として開放もされており、昼間は子供さんを連れて家族で楽しく過ごすことも出来ます。広大な敷地内には水遊びの楽しめる池や緑地などが整備されており、身体を動かして楽しく遊ぶことができます。
夜の北埠頭は、巨大な敷地内で照明が点々としているのみであり、ロマンチックなムードを演出しています。
港の明かりの中で、積み荷を降ろす貨物船の様子を遠くに見ることができます。
船の一部は、埠頭のすぐ近くまで来ることもあります。巨大な船体の迫力は圧巻です。
遠くに港の様子を見ながら、ムード満点の空間で恋人同士語らうのも良いでしょう。
敷地内には段差がある場所も存在しますので、ぼんやりして転ばないように注意が必要です。
港や船の明かりを見ながら、贅沢な夜のひとときを過ごしましょう。
苫小牧駅のまとめ
苫小牧駅は、室蘭本線最大の駅です。ドーナツ化現象によって中心街はやや寂れてしまっていますが、そのターミナル駅としての能力は失われることがなく、札幌市への大動脈のひとつにもなっています。また特急が停車することから、函館方面へのアクセスの際にも重要な役割を果たす駅となっています。周辺スポットと合わせて、必ず押さえなければならない駅です。
室蘭本線はさらに苫小牧市内を進んでいきます。次回は、住宅街が周囲に広がる駅「青葉駅」へと進んでいくことにしましょう。
むらはし
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