室蘭本線の竹浦駅を紹介します。海や山々の眺めが広がる白老町郊外に、竹浦駅はたたずんでいます。北海道らしい景観を楽しみつつ、ゆったりと過ごしてみてはいかがでしょうか。
白老町は、海と山に抱かれた町!
白老町は、樽前山系の山々、そして広々とした太平洋の大海原に抱かれた、自然に囲まれている町です。苫小牧市も同じような構造ではありますが、人口の規模が小さいこともあって、白老町の方がより自然に抱かれている町だという印象を強く受けることでしょう。
特に中心部を抜けると、海や山々の景観などの眺めが車窓のメインとなってきます。中心部を抜けた先は、山や海を中心として小規模な住宅街が点々としているということが特徴になっています。
小規模な住宅街の目の前に、大きく太平洋が広がっています。
地元の方々は、海原の景観や樽前山系の山影を望みながら日々を過ごしています。
ローカル線の面影を感じる!竹浦駅とは?
室蘭本線の22個目の駅である竹浦駅は、白老中心部かかなり離れ、白老町の西側に位置しています。駅周辺は小規模な住宅街が形成されており、それ以外は海や山に囲まれた、非常にのどかな雰囲気の場所となっています。
電化路線上にありながら利用客の少ない竹浦駅ですが、かつては夜行貨物も使っていた関係でより大規模な駅舎を持っていました。しかし夜行貨物の扱いも年々少なくなり、火災で損傷してしまったことをきっかけとして1954年に改築がなされ、現在の小ぢんまりとした雰囲気の駅舎に生まれ変わっています。
地元住民でも利用する機会がほとんどない竹浦駅ですが、現在でも苫小牧市や白老町中心街へと通勤・通学をする方の中に、若干名ながら利用している方がいらっしゃいます。
駅舎自体は1954年に改築されたものであり、60年以上の長きにわたって利用されています。壁などが塗り直されていることもあって、経年による劣化はそれほど感じません。
駅構内の様子。壁が塗り直されているところとそうでないところで劣化具合が変わっており、年季を感じる部分もあります。
時刻表。利用者数は少ないものの、前後の駅との兼ね合いもあり停車本数は多くなっています。札幌までの列車も停車します。
苫小牧・岩見沢方面の線路。簡素なホームが、ローカル線の雰囲気を伝えています。
駅舎を横断する形で結ばれた跨線橋は、1980年に建設された比較的新しいものです。駅の反対側の住宅地からは、駅舎を通らずにホームまで行くことができます。
跨線橋からの眺め。周辺に住宅がいくつか建ち並んでいます。ちょうど、列車が通過していきました。
跨線橋から駅の反対側の住宅街を望む。駅の反対側に住んでいる方々も、あまり竹浦駅は利用せずに車による移動を選択することが多くなっています。
樽前山系の山々に囲まれた、自然を存分に感じることのできる環境です。
反対側のホームの様子。あまり利用客が多くないこともあって、若干草が伸び放題になっており、整備が行き届いていない部分もあります。
跨線橋から海側は、住宅街を挟んで海の景色を楽しむこともできます。
広々とした海の景観が、心を洗ってくれることでしょう。
駅舎の入り口には、地元の小学生が書いたポイ捨て禁止の張り紙があります。
竹浦駅周辺スポット:敷生川
敷生(しきう)川は竹浦駅のそばを流れており、太平洋に通じている河川です。伊達市の「ホロホロ山」を水源に持ち、樽前山系の山々からこの竹浦地区まで流れ着いて、海に注いでいる川です。
元々竹浦エリアはアイヌ語由来の「敷生」という地名が付けられていましたが、語呂が悪いことから昭和初期に「竹浦」と改められました。かつては駅周辺に竹が自生しており、タケノコがよく獲れたことから竹浦という名前が付けられましたが、現在駅周辺に竹は自生しておらず、その当時の面影は消えてしまっています。
竹浦エリアは敷生川の下流に位置しており、大海原へと流れが続いていきます。また周辺にはウトナイ湖などからやってきた水鳥が飛来することもあります。
敷生川の看板。「敷生」はもともとアイヌ語由来の「シキ・オ・イ」という言葉でしたが、語呂の悪さから改められてしまいました。
川のすぐそばには、国道36号線が走っています。
川を横断する線路。遠くには、樽前山系の山々も見えます。晴れた日には敷生川の水源であるホロホロ山の山頂も、車窓から見ることが可能です。
竹浦駅のまとめ
竹浦駅は周辺に小さな住宅街が形成されているだけの場所にあり、社台駅と並んで白老町にある室蘭本線の駅でも利用客が少ない駅となっています。しかし周辺には太平洋や敷生川、そして遠くに広がる樽前山系の山々を眺めることができ、自然環境の素晴らしさを存分に味わうことができる、いわば「隠れたローカル駅」のひとつだと言えるでしょう。
室蘭本線は、白老町の西端へと向かってさらに進んでいきます。次回は、白老町における室蘭本線の最後の駅「虎杖浜駅」まで、周辺の自然の様子を楽しみながらゆったりと進んでみることにしましょう。
むらはし
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