室蘭本線の長和駅を紹介します。有珠山へと近づいていく室蘭本線は、山の近くの小さな小屋のような「長和駅」に停まります。近くにある「エントモ岬」と合わせて、チェックしておきましょう。
室蘭本線は有珠山へと近づいていく!
前回の「伊達紋別駅」からさらに北上を続ける室蘭本線は、少しずつ有珠山へと近づいていきます。伊達市の南側にある黄金駅ではかなり遠かった有珠山の山影も、この場所まで来るとかなり大きく見えるようになってきます。
室蘭本線は伊達紋別駅からは少し海岸線から離れていくので、ここからしばらくは有珠山の山影を楽しみながら進んでいくことにしましょう。
あれだけ遠くにあった有珠山の姿も、かなり近くに見ることができます。
山の近くの小さな小屋!長和駅とは?
室蘭本線の35個目の駅である長和駅は、伊達市中心部から北側に位置している小さな駅です。駅の外観は小さな小屋のようであり、同じ伊達市内の「稀府駅」とほとんど同じ外観の駅となっています。周辺の雰囲気も含めて、ローカル線の面影が色濃い駅だと言えます。
国鉄時代末期ごろまでは有人駅として運用されていましたが、そのころから乗客数は1日平均100人前後でした。現在はさらに減ってしまったものの、今でも、有人駅だった時代からの駅周辺の雰囲気や風景を昔のまま残しており、当時から一貫してのどかな雰囲気の駅であったと言えるでしょう。
長和駅外観。白い外壁と茶色がかった屋根が特徴の小さな小屋です。
自転車置き場に自転車は停められておらず、ほとんど利用者がいないことを示唆しています。
駅周辺には住宅街が形成されていますが、周辺住民で長和駅を利用するという方はそれほど多くないのが現状です。
駅の北東側に、有珠山を見ることができます。黄金駅の段階ではあれだけ離れていた有珠山が、この距離にまで迫ってきました。
駅の看板は木製で、どこかハンドメイド感があります。
駅構内は狭く簡素で、簡易的なベンチが設置されている以外に目立った設備はありません。
時刻表。特急列車などは停まらず、近距離の普通列車のみとなっています。
ホームの様子。ホームもかなり簡素なつくりとなっています。
跨線橋はなく、このような踏切を渡って反対側のホームへと向かいます。
踏切から見た長万部方面の線路。
踏切から見た室蘭方面の線路。遠くの方には、山脈の影も見えます。
反対側のホームから見た駅舎。遠くに見えるのは、稀府岳やカムイヌプリです。
かなり遠くの方に、内浦湾の海岸線も見えます。
長和駅周辺スポット:エントモ岬
長和駅から徒歩50分ほどの場所にある「エントモ岬」は、知る人ぞ知る隠れた景観スポットです。エントモ岬は、車で直接行くことができず、獣道のようなオフロードを徒歩で切り開くように歩きながら進んでいく必要があります。
背が高く生い茂る草木の影から野生動物などが出てこないかビクビクしながら進む道すがらは、まさにちょっとした探検そのもの。場所を確認しながら進み、1時間近く歩いて見つけた岬の姿は、まさに感動を呼び起こすものとなるでしょう。この後に控える小幌駅の予行演習としても、この場所へのアクセスは最適です。
大きな鉄塔の建っているこの場所が、エントモ岬へのスタート地点となります。
入り口付近には民間の農園があるため、スタート地点は比較的わかりやすいです。
スタート地点から少し歩いただけで、有珠山の雄大な姿を望むことができます。
車が通ったような跡はあるものの、まさに道なき道を進んでいくことになります。
途中にも、内浦湾を望むことのできるビュースポットがあります。
スタート地点から20分ほど歩いていくと、行き止まりに差し掛かります。道の脇にある、このようなコンクリートの段を登ると、目の前にはエントモ岬が広がります。
これこそが、自分の足でアクセスしなければ見ることができない、エントモ岬の素晴らしい眺めです。
向こう側に見える山は、渡島半島の駒ケ岳です。晴れていれば、このようにしっかりとその姿を確認することができます。
室蘭方向の景色。遠くに見える突き出た岬は、室蘭市を代表する景観スポット「地球岬」です。
晴れた日には、渡島半島の姿や駒ケ岳など、対岸の様子をはっきりと見ることができます。苦労して訪れたものしか見ることのできない、なんとも贅沢な光景です。
なお、エントモ岬は急斜面の場所に位置しており、非常に滑りやすくなっているため注意しましょう。雪が積もってからの訪問は、控えた方が無難です。
長和駅のまとめ
長和駅は、有珠山の山影を間近に見ることができ、周辺には住宅街の広がる静かな場所です。また、有人駅時代から30年以上にわたって周辺の雰囲気や景観が大きく変わっていない、歴史に取り残された少し寂しい雰囲気も持っている場所となっています。その寂しさは、誰にとっても郷愁を思い起こさせるものと言えるでしょう。
室蘭本線は、いよいよ有珠山のふもとまで進んでいくことになります。次回は、有珠山のおひざ元にある駅「有珠駅」に向かって、近づいてくる山影を見ながらゆっくりと進んでいくことにしましょう。

むらはし

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