室蘭本線にあるもうひとつの秘境駅!富浦駅に行ってみよう!

室蘭本線の富浦駅を紹介します。登別から離れたところにある富浦駅は、室蘭本線の「隠れた秘境駅」です。どうしても小幌駅には行けないという方は、こちらの駅に寄って秘境の雰囲気を感じてみるとよいでしょう。

登別駅を過ぎて、室蘭本線は山あいを進む!

北海道を代表する温泉地のひとつ、登別駅。一大観光拠点として道内外のみならず、海外からの観光客も数多く受け入れている登別駅ですが、実は、登別駅周辺には商店などが多く建ち並んでおり、市民の生活の場や市の行政の中心地は二駅先の「幌別駅」周辺に広がっています。

室蘭本線はその幌別駅に向けて進んでいくことになりますが、その途中で、一旦室蘭本線は樽前山やホロホロ山の延長にある山岳地帯を抜けていきます。線路上には大きなトンネルもあり、山を切り開いて列車は進んでいくことになります。

山あいのトンネルを抜けた地点の様子。太平洋とちょっとした山岳地帯に囲まれたエリアに、富浦の小さな住宅街が広がっています。

室蘭本線の隠れた秘境駅?富浦駅とは?

室蘭本線の25個目の駅である富浦駅は、登別温泉と登別市街のちょうど中間点に位置しています。小さい山岳地帯を形成している山は「ポントコ山」という面白い名前が付けられていて、アイヌ語で「小さく盛り上がった場所」という意味を持っています。

小さな駅周辺の住宅地は漁村であり、近くにある富浦漁港で生計を立てている漁師たちが住んでいます。山あいにある小さな漁村は、昔ながらの細長い道や古めかしい家々で構成されていることもあって、昭和期の漁村の雰囲気を色濃く残している場所となっています。これほど古くからの面影が残っている漁村は、広い北海道内でも数少ないのではないでしょうか。

山と太平洋に囲まれ、小さな古めかしい漁村の雰囲気も相まって、富浦駅は「隠れた秘境駅」だと言えるでしょう。秘境と言っても、富浦駅の周辺は道路が整備されていて手軽にアクセスすることも可能であるため、気軽に秘境駅の雰囲気を楽しみたい方に、特におすすめのスポットです。この後に紹介する小幌駅は、なかなか気軽に行くことができない真の秘境駅なので、どうしても小幌駅にいけない場合には、この富浦駅で、秘境の雰囲気を味わうのが良いでしょう。

富浦駅周辺の様子。車1台がやっと通れる程度の道幅しかない場所に、古めかしい住宅が密集しています。

狭い住宅密集地を抜けた先に小高い丘があり、その上に、小さな小屋が建てられています。この小屋こそが、富浦駅です。

駅までは、古めかしい階段を登っていく必要があります。

富浦駅全景。小さな掘っ立て小屋のような駅舎が印象的です。周辺の寂れた様子も相まって、秘境駅の雰囲気を感じられます。

苫小牧・岩見沢方面の線路。駅に跨線橋はなく、駅舎の前から線路を横断して対岸のホームへ渡ります。電車通過時には警告の音声メッセージが流れ、警告音とともに踏切が下がって対岸へ渡ることはできなくなります。

室蘭・長万部方面の線路。周辺がポントコ山をはじめとした山々に囲まれていることが分かります。

駅舎の建物は古びており、木造で非常に簡単なつくりとなっています。

駅舎内部。一応ゴミ箱は用意されています。

時刻表。これほどまでにローカルな雰囲気の駅でありながら、停車する列車のは数が多いことも特徴です。苫小牧と室蘭のちょうど中間地点に位置しているということも、発着数が多い理由のひとつになっています。

富浦駅周辺スポット:蘭法華岬

周辺には小さな漁村や山々が広がっているだけの富浦駅ですが、海側まで出てみると巨大な岩肌が、かなり近くまで迫っていることが分かります。この岩肌の部分は「蘭法華岬」と言い、海側に突き出た荒々しい断崖の様子を近くで見ることができます。

残念なことに岬の周囲には立ち入ることはできませんが、少し遠い位置からでも、岬の巨大さ、雄大さはしっかりと感じ取ることができます。晴れた日の眺めはもちろん素晴らしく、曇りの日にはもやがかかりやすいため、なかなか見ることのできない幻想的な光景を作り出しています。

遠巻きに見える岩陰が、蘭法華岬です。

古めかしい家々が建ち並ぶ様子とともに、雲ってもやがかかっている日には幻想的な光景を見ることができます。

岬の岩肌は小高い山々とつながっており、その下を室蘭本線のトンネルが貫いています。

海の様子も素晴らしく、海沿いの景観だけでも素晴らしい雰囲気を感じることができます。

車で訪れた方の中には、思わず車を停めて、陽の光に照らされる水面の様子に見とれてしまう方もいらっしゃいます。

富浦駅のまとめ

富浦駅は、小さな漁村の近くに位置している登別温泉と登別市街の中間地点にある駅です。周辺の雰囲気もあって秘境駅の雰囲気を持っている場所ですが、アクセスは容易であり停車する列車も多いため、手軽に秘境駅の雰囲気を味わってみたいという方にとってはぜひとも訪れておきたい駅となっています。
室蘭本線は、少しずつ登別市の中心部へと近づいていきます。次回は、登別市街にある駅「幌別駅」へと、山々や海沿いの景観を楽しみながら進んでいってみましょう。

The following two tabs change content below.
むらはし

むらはし

北海道の鉄道に魅せられた平成世代。北海道に数多くある秘境駅、廃線間近の路線などを巡り、その素晴らしさを伝えたいと思っています。

関連記事

  1. 海水浴場が目の前に!オロロンライン・瀬越を紹介!

  2. 西区の住宅地が桜色に染まる!発寒川緑地でお花見を!

  3. ガイドブックにもない馬追丘陵も!室蘭本線・古山駅とは?

  4. 高所のホームからの眺めは最高!室蘭本線・崎守駅とは?

  5. 海、山、そして秘境駅も!室蘭本線を進んでみよう!

  6. 「北の湘南」でひと休み!室蘭本線・伊達紋別駅とは?

最近のコメント