オロロンラインの留萌本線・留萌~増毛間にあった駅を紹介します。廃線により、閉鎖されてしまった駅が立ち並ぶこのエリアは、寂れていながらも人々の思い出が残っているような、どこか温かい雰囲気が残っていました。
廃線間近の留萌本線の駅を巡ろう!
2016年12月5日に廃線となってしまった留萌本線の「留萌~増毛間」。この区間には、留萌駅を除いて合計8つの駅があり、廃線にともなって8つの駅すべてが業務を停止してしまいました。
廃線区間のうち、増毛駅の駅舎に関しては、歴史的・資料的価値が高いということから増毛町に譲渡されることが決定していますが、他の7つの駅に関しては廃線後取り壊されてしまったものもあります。
留萌~増毛間に限らず、北海道内で廃線が検討されている路線は数多く存在しています。北海道は少子高齢化によって人口減少や都市部への人口集中が今後も続いていきますので、JR線が廃止となってしまうこと自体は仕方のないことではあります。廃線後、二度と見られなくなってしまう可能性の高い駅舎についても、今回は数多く撮影してくることができました。ぜひとも、駅舎が存続している間に一度訪れてみてください。
増毛町中心街からほど近い駅!箸別駅とは?
増毛町の中心街からおよそ3キロ程度の場所にある箸別駅は、増毛町の中心地に近いこともあって一戸建てが数多く立ち並ぶ住宅街となっています。海沿いには水産加工場なども並んでおり、人通りも多めの場所となっています。
このようなことから箸別駅はある程度利用客が多いのかと思ってしまいますが、駅のすぐ近くには「沿岸バス」のバス停があり、付近の住民はもっぱらこの沿岸バスを利用しているのが実情です。留萌市方面や、遠く旭川方面まで接続している沿岸バスは、周辺住民たちにとって自家用車と並んで貴重な足のひとつとなっています。オロロンラインと沿岸バスの充実こそが、留萌本線の留萌~増毛間の乗客を奪っていく結果となり、結果的に今回の廃線へとつながっていってしまったのです。
駅名の表示板から、すでにどこかさみしい雰囲気がかもし出されています。
駅舎。非常に小さく、利用している人はほとんどいません。
駅舎内部には最低限の設備があるのみです。
留萌方面の線路。
増毛中心街方面への線路。
時刻表。廃線時点では1日上下線とも6本ずつの運行となっていました。
周辺には民家や、水産関係の事業所が建ち並んでいます。遠くには日本海を望むこともできます。
漁港を中心とした集落の中心駅・朱文別駅とは?
箸別駅からおよそ1.5キロ程度離れた場所に位置している「朱文別駅」は、増毛町の中心街からは若干離れた場所に位置しています。朱文別駅もまた、周辺に民家が数多く建っており、小さめの住宅街が周辺に形成されています。
元々は朱文別駅近くにある漁港を中心に発展してきたこちらの集落は、自家用車を利用すれば増毛中心部まで10分もかからずにアクセスすることができ、さらに沿岸バスも発展していることから、現在では漁業を営んでいない住民も数多く生活しています。
朱文別駅は1992年時点における調査で、すでに1日の利用者が14人しかいないことが分かっていました。箸別も含め、当時から少子高齢化社会が進んだこともあって、現在定期的に利用している方はほとんど存在していないと言えるでしょう。
さび付いた表示板。
木製のホームはハンドメイド感にあふれています。
朱文別駅には小さいながら駅舎もあります。この日は自転車が1台停まっていました。通勤や通学客のものなのか、オロロンライン北上中に列車に乗ってみた方のものなのかは残念ながらわかりませんでした。
自転車の形状から、地元の方のものの可能性が高いと考えられます。駅舎の後ろには漁港で使われなくなった「浮き」が積み上げられていました。
増毛方面への線路。
留萌方面への線路。周辺には民家がある程度建ち並んでいます。
駅舎内は砂利が敷き詰められており、最低限の設備すらままならないような状況でした。
時刻表。やはり上下線ともに1日6本ずつの運行でした。
箸別・朱文別エリアの周辺スポット:朱文別沢
朱文別駅の近くの小道から東方向へ進んでいくと、あたり一面に農耕地帯が広がるエリアが見えてきます。朱文別における主要産業は長らく漁業でしたが、平成以降は農業人口も拡充し、現在では衰退してしまった漁業に代わって農業が細々とではありますが行われています。
山あいの道を進んでいきます。スピードは落とし目にしておきましょう。
朱文別沢は山の緑が作物の生育を促す、農耕には理想的な環境です。
用水路では朱文別沢の水を引き込んで、農作物に利用しています。
留萌本線の留萌~増毛間にある駅のまとめ
留萌本線の留萌~増毛間にある駅は、2016年12月5日の廃線以降駅舎やホームなどが順次撤去されています。
オロロンラインはここからしばらく、廃線となってしまった留萌本線の路線と並行して北上していきます。次回は、次の駅である舎熊駅、信砂駅へと足を延ばしてみましょう。
Ichiro
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